五十肩

五十肩とは、肩関節の周りに炎症が起こり自由に動かせなくなる症状のことです。一般的には肩関節周囲炎といった病名になります（細かくは腱板炎や上腕二頭筋長頭腱炎、腱板疎部炎など）さらに、癒着性肩関節包炎と呼ばれる状態になると、肩関節を包む関節包と言う薄い膜に炎症が起こり、膜がぶ厚くなって癒着します。肩の強い痛みの後で可動域が狭くなり、肩が挙がらない回らないの状態に至ります。

五十肩ははっきりとした原因が分かっていません。ホルモンのバランスや老化によるものと言われていますが、運動不足の方や長時間同じ姿勢で過ごす方、またゴルフやバレーボールを楽しまれる方にも多いようです。ゴルフをされる方に多い原因として、年齢とともに股関節や腰の柔軟性が失われ肩打ちになってしまうことで負担がかかりやすいこと、またバレーボールの場合はこれに限ったわけではありませんが、痛みを我慢して続けてしまう傾向があり重症化してしまうケースが多いようです。

共通点としては、姿勢の悪さ（体の歪み）や筋力（筋肉の量)の低下、過度な筋肉への負担と言えるかもしれません。

こり状のものが限界を迎えると炎症が起こり、炎症がどんどん悪化してしまうと拘縮肩となります。炎症が続くと粘性の液が出て癒着を起こします。

当院では慢性期に入ってから治療開始とさせていただいております。目安として発症から２～３か月経過していれば慢性期です。２週間から１か月以内は急性期（もっとも痛みが強い時期）の可能性がありますが、痛みのピークを越えていれば施術の対象となりますのでお早めにお越しください。

いくつかの検査を経て、今どの段階にあるのか、原因はどこなのかを確認します。段階や症状によってアプローチの部位や種類を使い分け、可動チェックを行いながら進めます。ご自宅へ帰られた後も次の来院までに行っていただくリハビリのご案内をします。とても簡単なので誰でも出来ます。

五十肩の治療は時間のかかる治療ですが、早く始めるほど早く回復します。癒着してしまうと痛みは消えても可動域は失われたままになってしまいますので早めの治療をお勧めします。